
田名埠頭で抗議活動の説明を受ける近藤正道・参議院議員(左から2人目)。
10月12日、社民党の脱原発プロジェクトチーム事務局長の近藤正道参議院議員(新潟県選出)が、埋立造成工事の阻止活動が続く平生町・田名埠頭や上関町・祝島を訪問し、翌10月13日には上関原発予定地の田ノ浦を視察した後、広島市の中国電力本社を訪ね、埋め立て工事の中止など3項目を要請したようです。

田名埠頭の仮設テントで座り込みを続ける祝島住民(奥)の話を聞く近藤参議院議員(手前)。
近藤参議院議員は10月12日昼、山口県議の佐々木明美氏や、NPO法人原子力資料情報室の澤井正子氏らと田名埠頭を訪れました。現地に展示された全国からの布メッセージの多さに驚きながら、座り込み抗議を続ける祝島の女性らや、波止場に来ている人の話を聞いた後、祝島漁船やシーカヤックが阻止行動を続ける海上を船から視察し、カヤック隊メンバーの話にも丁寧に耳を傾けたようです。
この後は近藤参議院議員は祝島に移動、宿泊し、27年間反対運動を続ける島民らと交流、1000回以上続く原発反対の「月曜デモ」にも参加したそうです。

カヤック隊が泊まるテント村でカヤッカーらの話を聞く近藤参議院議員。
10月13日は上関原発予定地の長島・田ノ浦を海上と陸上から視察し、環境保護団体「長島の自然を守る会」の高島美登里代表からスナメリやカンムリウミスズメなど貴重生物の説明を聞いた後、中国電力上関原発準備事務所の小田康博第一土木部長らから、計画の内容や埋め立て方法、環境への配慮などについて説明を聞いたようです。
現地を訪れて近藤氏は、「海と共に生きている祝島を訪れて、海を壊されると生活できないと原発に反対する島民の心情がよくわかった。ここは希少生物がたくさん生息する瀬戸内海で唯一の豊かな海だ。生物多様性の保全が言われている今、瀬戸内海国立公園のど真ん中に原発を建てていいのかを問題提起していきたい」などとコメントしたようです。
その後、田名埠頭に再び寄った後に、午後からは広島市中区の中国電力本社を訪ね、社会民主党党首の福島瑞穂(少子化担当相)名の要請書を、上関原子力立地プロジェクト総括部長の和森康修氏に手渡したようです。要請書では下記の3項目を要請したようです。
1.住民の合意が得られるまで、埋め立て工事を中止し、原状回復措置を講ずること。
2.工事における住民への言動が不適切であったこと、「だまし討ち」的な灯浮標設置について、住民に直接謝罪すること。
3.予定地周辺の希少生物の詳細な生息状況の調査を実施し、調査結果を開示するとともに、調査結果に基づき新アセス法に基づく環境影響評価を行うこと。
要請時に近藤氏は、中電が非公開にブイ2基を設置したことについて「住民合意がないなかでの強行。ブイは元に戻すべきではないか」「道義的に筋の通ったやり方でやるべきだ」などと訴えたのに対し、中電側は「上関町民全体で(選挙結果などを)みると約3分の2の方にはご理解をいただいていると思っている。今、埋め立て工事を中止することは考えていない」「二酸化炭素削減の面からも原発を最優先で進めたい」などと述べたようです。近藤氏は「ここ(上関原発予定地周辺)でもって生存を成り立たせている人たちが全く納得していない。ここをしっかり受け止めていただきたい。形式的な議会の同意ではなく、直接利害が最も深い人が理解していない」などと指摘。中電側は「理解をいただいていない方には引き続き説明させていただく」「島民の方々には直接説明する機会を設けるよう努力する」などと答えたようです。
また、近藤氏は「連立合意の中には『生物多様性の尊重』が入っている。民主党のマニフェストも『安全第一、地元住民の理解と信頼』と言っている」などと述べ、予定地周辺が生物多様性の宝庫と言われていることを指摘したのに対し、中電側は「豊かな生態系の海域という以上の認識はない」などと回答したようです。
要請後に近藤氏は、「共通の認識を得られなかったのが残念」としつつ、「専門家から補強してもらいながら政府に問題提起したい」「環境省に報告し、最新の知見を把握しているのかを確認したい」などと話したようです。
●山口新聞(09.10.14)社民党・近藤参院議員 上関原発予定地を視察
●毎日新聞(09.10.14)上関原発建設計画:社民・近藤参院議員、中電に工事中止要請−−予定地を視察
●毎日新聞(09.10.14)山口・上関原発建設:近藤・社民党参議員、予定地を視察

