13母布メッセ
母親らが県庁への申し入れに持参した布メッセージ。

 9月25日、子育て中の母親ら約20人が子供を同伴して山口県庁を訪れ、埋め立て許可の取り消しと原発計画の見直しを求めて申し入れを行いました(申し入れ文書は下記参照)。呼びかけたのは、田名埠頭での抗議活動を見た山口県下松市の30代主婦で、「私たちもふるさとの海を守りたい」「子供に見せたいのは原発ではなく、そのままの自然」という思いから、小さな子供を持つ山口県内の母親に賛同者を募ったところ、1週間で300人近くが集まったそうです。

 申し入れでは、山口県の豊かな自然が大好きでずっと住みたいとした上で、埋め立てによる自然破壊や、温排水の影響、放射能や電磁波の恐れ、事故やその時の避難方法に対する不安を述べ、住み良い山口県のために自然エネルギーの活用を検討し、埋め立て取り消しと原発計画の見直しをするよう求めたようです。また、出席者による意見や質問が飛び交い、「原子力は安心安全という一方的な情報だけでは不安が払拭できない」という声もあがったようです。
 これに対応した山口県商工労働部の末永企画監は、「公有水面埋め立て法の規定に基づいて免許した」と回答し、知事に伝えるとは述べたものの、参加した母親から上がった質問や意見に対しては「国と事業者の責任」「事業者に聞いてください」などと繰り返し、埋め立て工事を許可した山口県の責任は認めなかったようです。呼びかけた主婦は、「法律重視ではなくもっと私たちの生活の方を重視してもらいたい」などと話し、今後は中国電力への申し入れも予定しているそうです。

 一方、中国電力の埋め立て工事着手予定から15日目(抗議活動13日目)を迎えた平生町・田名埠頭では9月25日、朝から夕方までシーカヤック約10隻が海上を巡回し、ブイの積み込みを阻止する姿勢を見せたため、中国電力側はクレーン台船を出すことなく作業を見送ったようです。
 しかし、中国電力は今日からは「作業中止の決定を外部に公表しない」としており、作業が可能だと判断できれば、夜間でもクレーン台船を接岸させることは可能という見解を示しているため、原発反対派住民らは夜も田名埠頭に泊まり込んで監視活動を行っているようです。こうした中国電力の姿勢に対して、「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の清水事務局長は、「いつもながら姑息なやり方で予想はつけている。卑怯なやり方」などと批判したようです。

9月25日に小さな子供をもつ母親らが山口県に申し入れた文書

山口県知事
二井関成様

上関原発計画についての申し入れ


上関原発計画、そしてそれに関わる埋め立て工事についてお願いがあります。

わたしたちは、小さな子供を持つ母親です。
山口県の豊かな自然が大好きで、これからもずっと住みたいと思っています。
子供たちが安心して遊び、暮らせる環境があること、それこそがわたしたちの一番の
願いです。
子どもたちの未来のために、私たち大人ができることは何でもしてやりたいという思
いで日々過ごしています。

中国電力による原発計画は、28年前から現地の上関町や祝島の方々の反対により、
予定が進まず、このままできないものと安心していました。
ところが、去年になって急に計画が進められ、不安に思っています。
原発のこと、現地のことを知れば知るほど、この計画が無理なものに思われてきま
す。
現在、上関町のみが原子力発電所の是非について、問われていますが、原発の影響
は、広範囲に及びます。
山口県民、また近隣の県の方たちの思い、考えも尊重されるべきではないでしょう
か。

予定地は、活断層もあり、埋め立てする場所は地盤の弱い入江です。
豊かな自然が残っていて、希少動植物も数多く生息し、古い遺跡もあると聞きます。
しかし、ニュースを見る限りでは詳細調査が十分に行われているとは思えません。
先日、民間団体が発見した野鳥については調査さえされずに埋め立て工事に着工しよ
うとしています。

また、瀬戸内海は、四国や九州など陸に囲まれた海であることから、海水の入れ替わ
りが少ないため、温排水による温度の上昇や放射能の蓄積も他の地域にある原発と比
べて、影響(被害)が大きいと聞きます。

なぜ、そんな所に原発を建てようとするのでしょうか。

わたしたちが子供に見せたいのは、原発ではなく、そのままの自然です。
原発のない海で遊ばせたいと思っています。
放射能や高圧の電磁波を恐れず暮らしたいと思っています。
そして事故が起きる可能性は0ではありません。
日々、不安をかかえながら生活するのは嫌です。

近隣の住民でさえ、万が一の時の避難方法を聞かされていません。
炉心がまだ決まっていないからだそうですが、炉心の設置許可も下りていない原発
に、埋め立て許可を出されたのは、早すぎたのではないでしょうか。

埋め立て申請の許可を取り下げ、原子力発電所の計画を白紙に戻し、知事が提唱され
ている、安心安全で住み良い山口県に向けて、新たな方向性をぜひ示して下さるよう
お願いします。
 今では、太陽光発電などの自然エネルギーの技術も発展してきています。
 多くの人が安心に暮らせるための選択肢は、たくさん用意されています。
 原子力発電所に頼らない、県政を!
安心安全で住み良い山口を目指している知事に、最良の判断を求めます。
どうか、埋め立て許可の取り消しと、原発計画の見直しをお願いします。

平成21年9月25日